プライドを捨てることで本当のプライド・自信を手に入れられる

人には誰でも、「エライ人間になりたい」「誰かにほめられたい」という気持ちがあるものです。そのような向上心があるからこそ、一生懸命働いたり自己実現をしたりするエネルギーが生まれるので、大変良いことではありますが、その気持ちが強すぎると、かえってストレスとなることがあります。

たとえば、あなたが商売を始めたとしましょう。あなたは一生懸命準備をして、これまでにない、新しい商売と思えるものを始めました。がんばって研究したので、ライバルたちも蹴落とすくらいの良い商品とサービスだと自負しています。

ところが、実際に売ってみると、予想に反して、あまり売れない。一ヶ月続けたけれど、たったの1万円しか黒字にならなかった!予想では、せめて10万円くらいは黒字だと思っていたのに、その10分の1。ショックですよね。

ここで、同じ運命をたどったAさんとBさんをご紹介します。Aさんは、とっても真面目なので、この状況を深刻に考えて、大変落ち込んでしまいました。なぜ思った通りに行かなかったのだろう。自分の考えは間違っていたのだろうか。自分はあんなに一生懸命研究したのだから、認められてしかるべきだ。もしかしたらお客が悪いのかもしれない。こんな社会では、自分は生きていけないかもしれない、辛い・・・。

このように、Aさんは、自己否定をして、どんどん落ち込んでしまい、もうその商売はできなくなってしまいました。

一方、Bさんは、このように考えました。今はたまたまうまくいかなかっただけかもしれない。たったの一ヶ月で、1万円も儲かった!赤字になる人の方が多いのに、自分はすごい人間かもしれない。だから、もっと研究すればもっと儲かるかもしれない!自分のアイディアは間違っていたところがあるかもしれない、もっと研究して改善しよう。

このように前向きに考えられたBさんは、コツコツ商売を続けて、儲けがだんだん増えてきて、お客さんもたくさん増えて、いつの間にかお金持ちになっていたのです。

この両者の違いは、「プライドを捨てられたかどうか」です。Aさんは、「自分の考えは絶対正しいはずだ」という考えを捨てられず、世間を恨み、自分を否定してしまいました。一方、Bさんは、「自分の考えは未熟だったかも」と、研究を続けました。だからこそ、自分を更新して他人を魅了する仕事ができたのです。